額装をどこに頼むか、はたまた自分でやるかは悩みどころです。
わたしは自作を部屋に飾ることはしないので、作品を額装する機会はそんなにありません。
しかし、お買い上げいただいた場合や、差し上げる場合、また、展示会に出品するときには額装することになります。
8割がたは画材・額縁コーナーのあるホームセンターで額縁を買い、額装も同じお店に依頼しています。
なんといっても近くにありますし、気軽に相談できて予算的にも無理のない範囲におさめることができるからです。
気合の入った作品や、ホームセンターには作品に合う額がなかった場合は画材屋さんや額縁屋さんへ出向いて額を探し、額装を依頼しています。これが残りの2割。
やっぱりこちらは、ちょっと気後れしてしまいます。ちょっと遠出しなくてはいけませんし。
でも、ホームセンターにはないデザインや素材の額があったり、より適切なアドバイスをいただけます。
(ホームセンターの店員さんも素晴らしい能力の方がいらっしゃいます。誤解のありませんように)
なんにせよ、これまでは100%お店に依頼して額装してきました。
しかし、2019年9月に行われた「9月の海はクラゲの海・everything is nothing」展覧会に出展した作品「g||f」で初めて自分で額装にチャレンジしてみました。
そのことを記録として書いておきます。
目次
鉄壁の2大制約です。
仕事に追われていて、額縁を選びにお店に行かれないのがまず一つ。
本業を変えたばかりで、予算に制約がありまくりなのがもう一つ。
額装というと、額縁自体の価格だけに目がいきがちです。
しかし、意外と費用がかかってしまうポイントがいくつかあります。
そう、額縁にはマットが入るのです。
しかも作品に合ったマットを選ぶのは結構難しいんです。考える時間を惜しんで、マットで失敗したら悲惨ですしね。
そして展覧会のテーマは「9月の海はクラゲの海」。
海やクラゲのイメージを額縁にも持たせたいなと思いました。
透明感を出せて、マットの要らない額縁って何?
というわけで、今回はマットの要らない写真用のアクリルフレームを選びました。
ナカバヤシ アクリル製ピクチャーフレーム 壁掛けタイプ A3
価格的にも納得のいくラインです。
私はAmazonで購入、定価よりだいぶお安く購入できました。
マットの要らないフレームとはいえ、そのまま作品を入れ込んだのではつまらない…
作品のコンセプトに沿って、透明感のある色フィルムをマット代わりに敷くことを思いつきました。
工作用のフィルムではサイズが小さすぎるので、花屋さんがラッピングに使っている色フィルムをカットして使うことにしました。
HEIKO ラッピングペーパー ファンタジーラップ 09 サファイアブルー
このフィルムが案外高くて、マット代をケチった意義が薄れてしまったような気がしますが、使うのはほんの一部。
残りは、また何かに使うことにします…
アイディアはよかったものの、実際切るときはなかなか綺麗に切れず、苦労しました。
カッターの刃は新しいものを使った方がいいです。
精一杯がんばって切りましたが、結局すこし歪んでしまいました。
さらに私はフレームと作品のサイズを測り、縁の部分の長さを割り出してそこに糸を貼って見当としました。
フィルムも同じようにして配置。
さらに、フィルムに関しては両面テープでフレームに貼り付けました。
作品にテープを貼らなかったのは後で失敗とわかりました。
ネジをかなりきつく締めたつもりだったのですが、ギャラリーに行ってみたら、ちょっとずれてしまっていました。
搬送の途中などでずれてしまうんでしょうね。
アクリルフレーム、フィルムといった透明なものばかりを扱うので、指紋がつかないようにしなければなりません。
髪染め用のビニール手袋を使いましたが、すぐに手が汗ばんで精密な作業には向きませんでした。
もしかしたら、コットンの手袋の方がいいかもしれません。
アクリルフレームはフレームの四隅のネジを締めることによって2枚のアクリル板が密着し、作品をキープするしくみになっています。
ですから、ネジをきつく締めないと作品が斜めにずれたり脱落してしまいます。
くれぐれもきゅっと締めてくださいね。
私はこれで残念な思いをしましたので、声を大にして言いたいです。
作品にもよりますが、アクリルフレームでの額装、全然アリでした。
特にこの「g || f」に関しては、クラゲのような透明感を出したいという意図にまさにぴったり。
観に行ってくれた友人も、そのことは伝えていなかったのにちゃんとわかってくれました。(すごく嬉しい)