房状になって咲く花とか、細かい花が集まってひとつに見える花は華やかで、一度は描いてみたいモチーフです。
その複雑さに心折れたり、面倒じゃないかと諦めてしまう方もいるのかな?と思います。
例えば、百日紅。
華やかな色の花がブーケのように空に向かって咲く姿は、絵になりそうでいざ描くとなるととても手強そうです。
先日、たまたま描く機会がありましたので、わたしの描き方をメモ的に公開したいと思います。
目次
最初はこんな感じで、ぐちゃぐちゃ全体の姿がどうなっているのか、観察しながら手を動かしていきます。
観察8分、描くの2分くらいの配分です。
目についたところから、メモをとるようにしていきます。
まず枝が目についたので、枝がどんなカーブをしているか観ながら描いて、そのあと花の付き方やつぼみの付き方を観ながら、とにかく手を動かす感じです。
これはあくまで自分のためのメモなので、全然似なくてもいいし、バランスが崩れていても気にしなくてOK。
目と手の準備体操です。
ひとしきり準備体操が終わったら、細かいところが気になって描きたくなりました。
ここで新しい紙に変えます。
大事なことなので、もう一回書きますね。
新しい紙に替えて描きます。
よくよく観察すると、百日紅の花って6弁なんですね。
根元が細くて先端がフリル状の花びらが6枚、円形に開いてあの華やかさを作り出していたんです。
ガクと花びらの付き方や、長いシベの出ているところなど、気がついたところだけを理科の観察帳のように描いていきます。
ここもデッサンはあまり気にしません。
百日紅の花の構造に注目して、構造が自分にわかるよう描いていきます。
この段階で、百日紅という植物の理解をしていきます。
なので、気づいたこで絵にしきれない部分は字でメモします。
とにかく気づいたことは絵か字で全部書き留めます。これすごく大事。
さらに蕾が気になってきました。
まんまるくてかわいいのです。
この段階で6つに切れ目が入っていることにも気付きました。
これは描いておかねばなりません。
というわけで。
新しい紙に替えて描きます。
絶対ケチってはダメー!
これ、自分にも言い聞かせてます。
どういう訳か、仕切り直すたびに新しい紙に描いていった方が最終的には満足いく仕上がりになるんですよ。
これ本当です。
なんとなく百日紅がどういう構造をしているのかわかったら、「とりあえず」本番に移行します。
しつこいですが、ここも
新しい紙に替えて描きます。
もしうまくいかなかったら、
消さずに新しい紙に替えて描きます。
本当に大事なので、しつこく書きます。
さんざんメモ書きしていると、百日紅がどんなパターンの構造をしているかわかるので、いきなり細かく描き始めるよりはずいぶん楽になるはずです。
花はあまりきっちり正確に描こうとすると、固い印象になってしまうので、今まで観察した経験を生かして半分雰囲気で、でも構造はしっかり押さえて描きます。
たとえば、6弁だとかそういうところです。
いつもざっとこんな感じで描いてます。
時間にして1〜1.5時間くらい、枚数はここでは4枚ですが、これは時間に制約があったためです。
制約がなければメモ書き8枚+色付き2枚=10枚くらい描いていたと思います。
このうち、いちばん手をかけて描いたものが「本番」みたいな位置付けになる感じでしょうか。
この描き方のいいところは、気軽に入れて、いつの間にか集中できるところです。
コツは、本当〜にしつこいのですが、とにかく消さずにどんどん新しい紙に替えて描くこと。
今までこういう描き方をしたことなかった方は、やってみてくださいね。