頁岩

頁岩

頁岩(2019年11月)

久しぶりに鉱物を描きました。
モデルは拾った石、図鑑と照らし合わせた限りでは、おそらく頁岩ではないかと。(違っていたら教えてください…)

鉱物は小さくてもとても情報量が多く、描くときはそれなりの覚悟が必要になります。
何しろ相手は自分よりかなり歳上、膨大な時を経てきている存在です。ぎゅっと諸々の成分が詰め込まれているその重みと相対するわけですから、見つめ続け、描くのはとても体力を使うのです。

覚悟という物々しい気持ちと同時に、「疲れたら寝ちゃえ!」という軽い気持ちも必要です。
がっぷり四つに組んで敵う相手ではないので(実際石の方が全然硬いわけですし)、自分のペースを忘れると一晩寝たくらいでは回復できないくらい疲れます… それだけ、描いていて面白い、描きがいのあるモデルでもあります。

この石独特の層状の構造や、今にも剥がれそうな脆さも描きたいなあと念じつつ、ひたすらハッチング。
ハッチングは最初は単に線の重なりだけなのですが、ひたすら重ねているうちにどんどんリアルになっていくのが面白いのです。
一方、最初から描きたいものの細部が見えているわけでなく、描いているうちに自分の目がアップデートされていくかのようにどんどん見えてくる現象があって。
ハッチングの「全体ぼんやり→細部の精密化」という段階は、そういった自分の目のアップデートにも合わせられるので、私にはとても楽な手法です。

真ん中の青みがかった筋は本当にそのようになっています。
その辺に落ちている石にも、こんなぞくぞくするような美しさがあるのかと思うと、わくわくします。

トルコの色鉛筆使用したのは、トルコの色鉛筆FATiH。茶色系の色がとても豊富なのと、青系が渋みがかっているのがお気に入り。
石を書くのにはぴったりの色合いです。
しかし、それだけではちょっと物足りなかったので、もう1ブランド足しました。
メタリック色鉛筆メタリック色鉛筆6色です。(全部使っています)
画像ではどこに使っているか判別できないですよね。実物を見てもはっきりとはわからないと思います。
しかし、このメタルカラーを入れただけでぐっと石らしさが出てきました。

これなんと、100均で売っていたものです。
こんないい色鉛筆を(しかも短くないレギュラーサイズで)、6色も入っていて100円ちょっとで手に入れられるなんて、びっくりですね。

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